【プロ店長に聞く】個性を活かし、スタッフが「育つ」環境を創る 第3回 後編 株式会社TKG 寺内専務・植竹店長
教育・管理

【プロ店長に聞く】個性を活かし、スタッフが「育つ」環境を創る 第3回 後編|株式会社TKG 寺内専務・植竹店長

 

東京都台東区、鶯谷駅近くにある居酒屋『大衆鳥酒場 鳥椿 鶯谷朝顔通り店』。

 

スタッフ教育について、株式会社TKGの専務取締役・寺内優輔さん(以下:専務)と店長・植竹秀樹さん(以下:店長)は口を揃えて「スタッフの個性を活かせるように、教育マニュアルは作っていない」と言う。

 

それはいったいどういうことなのか。

 

「プロ店長に聞く」第3回後編は、前編から引続き、専務と店長に「スタッフ教育や接客」についてお話をうかがいました。

 

>【プロ店長に聞く】販促費は還元!楽しませて広がる口コミ術 第3回 前編|株式会社TKG 寺内専務・植竹店長を読む

 

スタッフとお客様の顔は合わせ鏡 

 

-リピーターになってもらうためには、スタッフとお客様の関係もとても大事ですよね。再び来店してもらえるよう、スタッフ教育として気をつけていることはありますか?

 

店長:「お客様に合った接客をすること」ですね。一人で飲みたい方、スタッフとお喋りしながら飲みたい方、みんなでわいわいしたい方……など、来店いただくお客様によって、飲みたいスタイルはそれぞれ違います。

 

居心地よく過ごしてもらうには、その方にあった接客が大事だと思いますから、そこは常に意識するようにスタッフにも話しています。

 

-具体的にどういった接客を行っているんですか?

 

接客方法は各スタッフに判断させています。お客様がどのように過ごしたいかというのを、その時のお客様の様子を見て、自分の経験から判断しろと。

 

植竹店長

植竹店長

 

-経験をもとに判断していくというのは、非常に難しそうですが……。

 

店長:そうですね。最初は少しアドバイスもします。でも、お客様に気持ちよく過ごしてもらう接客の仕方は、やはり自分の肌感を通して経験しないと覚えられないと思うんです。

なのでうちの接客は、各スタッフの経験から判断する接客、というのを重視しています。

 

-スタッフ教育を行う上での悩みなどはありますか?

 

店長:とくにないですね。

 

専務:そうですね、悩みというのはとくにないです。
というのも、基本的に接客で大事なことは、おもてなしの心や気遣いだと思っているんです。

 

毎日来られるお客様に、「何を飲みますか?」というのはなんだかおかしいですよね。毎回ビールを飲まれる方であればビールを出す、たまに別のものを飲まれる方には、「今日は何にしましょう?」と話しかけるとか。

スタッフがそれぞれのお客様にあわせ、臨機応変な接客する。それができていれば良いかなと思っていますから、とくに悩みはないです。

 

そういう考えもあって、実はうちにはスタッフ教育マニュアルが無いんです

 

-そうなんですか?それだと新人の方などは困ったりしないんでしょうか?

 

飲食店勤務が未経験のスタッフでも外食経験は0ではないと思いますから、そのときに店側がお客様にしていることをイメージしながら、まずやってもらっています。

それを見てわれわれも、「いいね!」と褒めたり、ときにはフォローしたりして。その積み重ねの中で、だんだんと仕事を覚えていってもらうんです。

 

中にはフレンドリー過ぎて、「おかわりどうですか?」と、ちょっと図々しい接客を行っているようなスタッフもいます。でも、そのスタッフから急かしているような嫌な感じがしないので、逆にお客様は喜んでくださったりするんですよ。

 

一見マイナスポイントのように見える部分も、実はそれがスタッフの良い個性だったりすることもあります。そういう個性は店としても大事にしているんです。

 

左が寺内専務、右が植竹店長

左が寺内専務、右が植竹店長

 

-マニュアルがまったくないのは驚きですが、個性を尊重するため、という意図もあるんですね。

 

専務:マニュアルがあると、店のやり方の押し付けになってしまい、どうしても機械的な接客になってしまいますから。

 

もちろんおすすめをするタイミングなどをスタッフに促すこともあります。でもそういったことを上から覚えさせるのではなく、スタッフ自身で気づけるようになることを大切にしています。それが鳥椿らしさかなと思っているので。

 

寺内専務

寺内専務

 

カウンター越しに接客する植竹店長

 

専務:もともと気が利く子や、そうでない子、話上手な子や話下手な子など、スタッフの中でも差はありますから、そこは必要に応じてわれわれも間に入ってサポートしたりはしますよ。

それでも、スタッフが自分で判断して、自分の言葉で会話ができるようになるのを、最終的には見守っている感じです。

一生懸命やっているスタッフには、お客様もつっこまないですからね。

 

口を出さずに見守るということは根気がいることですけど、スタッフが成長していく姿を見るのはこちらも楽しいです。

 

それに、スタッフの顔とお客様の顔は合わせ鏡だと思っているので、まずはスタッフみんながいい顔でいること。店にとってはこれが大事かなと。

 

店長:あと、うちは店内が狭いので、カウンターと厨房が近いんです。スタッフも少ない人数で切り盛りしていますから、スタッフとお客様のコミュニケーションは比較的取りやすいのではと思うんです。

そうやってスタッフと仲良くなったお客様は、リピートいただいている気がしますね。

 

メニューもお客様とのコミュニケーションツール

 

ユニークなネーミングのメニュー

ユニークなネーミングのメニュー

 

-店内に貼られたメニューを拝見したのですが、ネーミングが印象的ですね!「大根サラダ1号」「大根サラダ2号」「大根サラダV3」など、とてもユニークです。

 

専務:ネーミングはこだわってますね。でもそれだけではないんです。実は意図的にメニューに写真をつけていないんですけど、これがミソなんです。

こうしておくと、気になるメニューについて、お客様同士で話しをしたり、スタッフに聞いてくれたりして、会話が生まれるんですよ。この殺風景なメニューが、一つのコミュニケーションツールになっているんです。

 

メニューは‘‘受身’’で作る

 

-そういうねらいもあるんですか!それにしても、メニューの数も多いですね。これだけのメニューをどうやって作っているんですか?

 

専務:メニューはお客様の意見を取り入れて、ニーズに応えるという感じで作っていますね。積極的に作るというより、受身で作ることが多いです。

 

立地によって来られるお客様の層も違います。それぞれの環境をふまえてメニューを作ることが大事かなと思うので、その土地ならではのヒントをもらうことも多いですね。

 

たとえば、雷門一丁目店は家族連れの方が多いので、お子様向けのチンチロリンジュースのゲームを実施していますが、これはまさに、お客様との会話から生まれたんですよ。(※前編参照)

 

サービスなどでも、各店舗ごと(編集部注:鳥椿は都内に店舗展開している)に、ここの店舗は「これ!」というカラーがあるんです。いつも鶯谷朝顔通り店に来られるお客様が、「雷門一丁目店へも行ったよ、でも、こっちのほうがいいなあ」と言われたり、その逆もあったり。

 

来店されるお客様とのコミュニケーションを通じて、各店舗の雰囲気や話題が作り上げられているんです。

その中でお客様には、自分のひいきの店舗を見つけてもらえるといいですね。

 

-最後になりましたが、店舗運営をされる上で大切にしているポリシーなどはありますか?

 

店長:大切にしていることは、楽しく働くということです。もともと僕はアルバイトで入って店長になったのですが、鳥椿では、スタッフ一人ひとりの意見も通りやすく、みんなの価値観も似ているんです。そういうメンバーと一緒に仕事をすることは楽しいですよ。

あと、お客様に満足してもらって、笑顔でまた来るよ、と言ってもらえたときも、とても楽しい気持ちになりますね。

 

専務:楽しむことは全社としても大切にしていることなんです。チンチロリンハイボールのオーダーが入ったときは、お客様だけでなく私たちも一緒に楽しんでやっていますし。お金を稼ぐために仕事する、というスタンスは嫌です。

常に楽しむ気持ちで仕事をしたいですね。

 

1609_02_07

 

-マニュアルに頼らないスタッフの個性を生かした教育方法や、メニュー自体をお客様とのコミュニケーションツールに使っているところなど、鳥椿流の教育・接客についてのお話、とても興味深いですね!

スタッフ同士がわきあいあいとしている雰囲気も印象的でした。

貴重なお話をどうもありがとうございました。
(2016.09.28)

 

写真:鳥椿  鶯谷朝顔通り店様にて撮影

 

大衆鳥酒場 鳥椿 鶯谷朝顔通り店

所在地:東京都台東区根岸1-1-15 渡辺ビル 1F
電話番号:03-5808-9188
営業時間:
【火~日】10:00〜23:00
※売り切れ次第終了
定休日:月曜日
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