【プロ店長に聞く】外国人の心をつかむための徹底対応 第9回 前編 │株式会社O.B.U Company山崎洋介店長
接客

【プロ店長に聞く】外国人の心をつかむための徹底対応 第9回 前編 │株式会社O.B.U Company 山崎洋介店長

 

福岡県福岡市博多区。

地下鉄空港線の中洲川端駅から徒歩10分ほどの立地にある複合施設「キャナルシティ博多」内に店舗を構えるお店が、株式会社O.B.U Companyの「串と水炊 博多 松すけ」です。

 

串焼と水炊を中心に、福岡特有のさまざまな料理を楽しめることが特徴の店舗。同施設内にホテルがあることもあり、外国のお客様も多いのだとか。

 

外国のお客様を取り込むため、“タッチパネルやメニューを工夫した複数言語対応の施策や外国人スタッフの配置”、また“集客方法ごとに担当者をかえているこだわり”について、「串と水炊 博多 松すけ」の山崎洋介店長にお話をうかがいました。

 

きっかけは、ここ数年で外国人観光客が増えたこと

 

株式会社O.B.U Company 山崎洋介店長

山崎洋介店長

 

―「串と水炊 松すけ」では、外国人向けの施策に注力されているとうかがいました。まずはその理由をお聞かせください。

 

シンプルに、来店される外国のお客様が多くなってきたのが理由です。

 

この店舗は、キャナルシティという施設内にオープンしてから4年目に入るのですが、最初の頃はノウハウがなかったので、外国のお客様への対策は正直なところ二の次三の次になっていました。

 

―当初はそこまで力を入れられていなかったんですね。ここ数年で外国人観光客が増えてきたことがきっかけになった、と。

 

そうですね。以前はどちらかというと、外国のお客様を迎えるのは当店では苦手なほうでした。

 

でも、徐々に英語や中国語、ハングルのメニューなどをそろえていったりスタッフの外国語教育をおこなったりして、いろいろなお客様に対応できるよう環境を整えてきました。

 

大きな施策としては、複数言語対応のタッチパネルメニューを導入したことでしょうか。

 

複数言語に対応したタッチパネル

複数言語に対応したタッチパネル

 

―タッチパネルも翻訳対応なんですか?

 

中国、韓国のお客様が多いので、タッチパネルも日本語、英語、中国語、韓国語などに切り替えられるようになっていて、時期に合わせてメニューを随時更新しています。

 

全商品に対してイメージ画像を付けているので頼みやすいようですし、金額も表示しているので安心感があって、外国のお客様には喜ばれていますね。

 

―外国語が話せるスタッフを採用したりもされているのでしょうか?

 

はい。今はフィリピン人の女性や、日本語、英語、中国語を話せる中国人の男性などがいます。フランス人の男性がキッチンで働いていた時期もありますよ。

 

あとは本社の事業部で月1回、英会話の先生を呼んで、全社員に研修をおこなったりもしています。

 

―現場で活かせる英会話ということですよね?

 

そうです。自分でレッスンに行こうとするとお金がかかるので、会社がそういう仕組みを取り入れてくれていて、ありがたいですね。

接客用語をメインで習うので、現場で活かせる場面も多いです。

 

―実際に英語で話しかけると、外国のお客様の反応もよさそうですね。

 

やっぱり悪くはないですね。こっちががんばろうとしている姿勢を見せていることが伝わるようで、ニコッと笑ってくれたりします(笑)。

 

とにかくメニューをわかりやすく、直感的に

 

―その他に、外国人向けの施策として具体的におこなっていることはありますか?

 

メニューを強化して、外国の方向けに頼みやすいおすすめメニューを作りました。

 

同じようなメニューが多いと、何を頼んでいいかわからないらしく、こちらもセールスをしないといけなくてややこしくなっていたんですよね。

 

なので、パッと見ただけでわかりやすく「このコースが一番おすすめですよ」というのをバーンと打ち出すなど、外国の方にわかりやすいメニュー作りを心がけています。

 

一目見ておすすめメニューが分かりやすい、シンプルな構成の外国のお客様向けメニュー(左)。右の日本人向けメニューとの違いは明らか

一目見ておすすめメニューが分かりやすい、シンプルな構成の外国のお客様向けメニュー(左)。右の日本人向けメニューとの違いは明らか

 

スタッフの英語教育がまだまだできていない部分はあるので、とにかく見た目でわかりやすくなるように…まずは“見える化”から始めたほうが楽だなと、現場で働きながら僕がその方針を決めました。

 

スタッフが使う、言語別の接客用語一覧表

スタッフが使う、言語別の接客用語一覧表

 

―日本人と外国人への接し方は、意識的に変えられていたりしますか?

 

日本人の方に比べて外国の方への接客は、メニューの説明などにどうしても時間が取られるんですが、そこは丁寧にやっていこうと思っています。

 

ドーンとたくさん頼んでくださる方もいらっしゃるので、接客には時間をかけてしっかり対応しよう、と。

 

外国の方をもっと集客していきたいですし、客単価を上げていきたいですね。そのときにどう集客できるか…などについては、もっと考えていかなければと思っています。

 

集客しつつ、顧客満足度も高めてリピーターを獲得

 

「松すけ」店内の様子

 

―集客に関しては、福岡のイベントの時期なども把握されているんでしょうか?

 

キャナルシティの年間スケジュールがあるので、それでざっくりと把握しています。

 

いついつに博多で大きなライブやイベントがある…などの情報も得られるので、それに沿って、そこまでの集客施策や当日のシフトなど、流動客を取り込む方法を細かく決めていくんです。

 

自分たちの店だけで近隣のイベント情報などをすべて見つけ出すのは難しいと思いますが、施設に入っているとそういうメリットがあって助かりますね。

 

また、中国では2月に旧正月があるというように、外国の方と日本の方とでは動く周期が違います

 

その周期を意識して、どのように流動的なお客様を取り込むかについては今後も力を入れていきたいところです。

 

―集客の方法は、具体的にはどのようにおこなっているのかお聞きしたいです。

 

館内担当、メール&DM担当、Facebook担当などに分けて、社員ごとに担当を決めて細かく施策を打っているんです。

 

集客には本気で力を入れているので、店舗での集客はどうしたらいいか…というのは、社員同士でもたくさん話します

 

施設内の人をどう呼び込むかについても考えますし、外から人を呼ぶためにFacebookなどのSNSも使っています。

 

―チラシの配布なども?

 

もちろんやっていますよ。手に取りやすいようにチラシを置いたり、また店の前を通ってもらった外国の方にいかに興味を持ってもらうかということで、店舗の立て看板に絵を描いたり、外国の方向けのおすすめメニューをわかりやすく貼っておいたりしていますね。

 

―「串と水炊 松すけ」では、ネットクーポンにも力を入れられているとうかがいました。

 

そうですね。試験的なデータも取りながら、昨年10月から力を入れ始めたのですが、効果は徐々に出てきている感じですね。

 

女性向けだったり、宴会の幹事様向けだったり…と、あれこれ試してみて、反響があるものを確かめています。

 

―クーポンの内容はどのように決められているんですか?

 

きき酒師の免許を持つ女性スタッフが企画した日本酒イベントのチラシ

きき酒師の免許を持つ女性スタッフが企画した日本酒イベントのチラシ

 

時期的なことをメインに考えて打っていくんですけど、3~4月の施策でおもしろそうなのは“先得”クーポンでしょうか。

 

1週間前に予約してくれたら幹事様の料金を半額、2週間前なら全額無料…という内容です。航空会社がおこなっているのを見て、うちでも試してみようかと。

 

初めての取り組みなんですが、それでどんどん席を埋めていければいいですね。

 

―航空会社からヒントを得ているのはおもしろいですね!ただ、「割引クーポンは客単価が下がる」という理由で、クーポン施策を嫌がるオーナーさんも多いようです。

 

うちもディスカウントはあまりやらないですね。どちらかというと特典とか、グレードアップの内容が多いです。

 

お客様がちょっといいものを食べて、得した気になれる。そういった気分になれるクーポンを作っていこうとは考えていますよ。

 

―「安くしよう」より、「おいしいものを提供しよう」という思いがこめられていると、顧客満足度にもつながりそうですね。

 

それはあると思います。その他に、集客と顧客満足度を測るために取り入れているものとして、ポイントカードがありますね。

 

「よかった」とか「また来たいな」と思ってもらえないと、ポイントカードは作ってもらえないと思うので。

 

お会計のときなどに徹底して「すごくお得なんでどうですか?」と声かけをおこない、「また来るから作ろうかな」と答えていただけると、お客様に喜んでいただけた目安の1つになります。

 

集客施策として重視している黒の会員カード。

集客施策として重視している黒の会員カード。そのメリットを提示したラミネートパネルを各テーブルに配置

 

―ポイントカードの特典が豪華だと、リピート効果も期待できそうですね。

 

そうなんです。あとは、時期によってはポイントカードの提示でくじ引きができたりと、遊び心を取り入れたりもしていますね。

その効果で、年末年始などは入会の伸びがすごくよかったですよ。

 

―現在、山崎店長が感じられている課題はありますか?

 

やはり、外国の方をいかに取り入れられるかが鍵かなとは思いますね。

 

以前、韓国の人気ブロガーを呼んで、うちの料理を食べていただいた記事をアップして、拡散してもらうという方法を仕掛けました。

そのときは、3ヶ月~半年後くらいにじわじわと効果が出てきました。半年も経つと、記事を書いていただいた当時とメニューが変わっていたりはするのですが(笑)。

 

「松すけ」店舗入り口

 

―さまざまな集客施策が充実していて、日本人だけでなく、外国人観光客も安心して食事を楽しめるのが松すけの強みだと感じました。

 

後編では、覆面調査や“気づきシート”や“感動アップシート”など、たえずスタッフがフィードバックを得られる仕組みとその教育方法についてうかがいました。

 

(2017.3.15)

 

写真:串と水炊 松すけ様にて撮影

 

串と水炊 松すけ

所在地:福岡県福岡市博多区住吉1-2-82
キャナルシティ博多グランドハイアット福岡B1
電話番号:092-263-7840
営業時間:
【月~土】
ランチ 11:00~15:00(L.O.14:30)
ディナー 17:00~23:00(L.O.22:00)
【日・祝日】
ランチ 11:00~15:00(L.O.14:30)
ディナー 15:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:年中無休
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