飲食店のジビエ導入メリット!流通ルート、取扱い注意点は?
ざっくり言うと
- ジビエのトレンド背景は、個体数の管理と消費者の健康志向
- ジビエ導入には、他店との差別化・集客効果などメリットがたくさん
- ジビエの流通ルートとおすすめレシピ
最近、ジビエ食材の流通が全国的に確立しつつあることを、ご存知でしたか?
ジビエは、地産地消及び地域貢献といった観点や、食材そのもののヘルシーさ、そしてなにより新しい味覚の体験をお客様に提供できることから注目を浴びています。
今回は、一般社団法人日本ジビエ振興協会の藤木徳彦さんに、そもそものジビエの意味や流通ルート、ジビエを提供するメリットなどについてうかがいました。
「ジビエ」の意味、トレンドの背景とは?
まず、「ジビエ」のそもそもの意味をしっかり理解している人がまだ少ないかもしれませんね。
ジビエとはフランス語で、「狩猟期(11/15~2/15)に捕獲できる、狩猟対象の野生鳥獣。またはそれらの肉や料理」を意味する言葉です。
そのため、かなり多くの動物がジビエに含まれますが、一般的に料理に使われることが多いのは鹿肉、猪肉といえます。
ジビエのトレンドの背景には、社会的な事情による、国からの施策が挙げられます。近年、増えすぎた野生鳥獣による農作物への被害が深刻化・広域化する中、野生鳥獣の適切な個体数の管理が求められています。
そのため、狩猟期以外でも捕獲がおこなわれている地域が多くなっていますし、捕獲した鳥獣を食肉として利活用する動きも促進されてきています。国策として、ジビエがプッシュされているのです。
それに加えて、飲食店に来るお客様が今ジビエを求めている理由としては、世の中の健康志向が考えられます。
とくに、鹿肉は高タンパク低カロリーで鉄分も豊富なので、健康や美容を気にする方々の間で、人気に火がついたようですね。
ジビエ料理を取り入れる3大メリット
ジビエをメニューに加えることには、次の3つのメリットがあります。
- 地域貢献
- 他店との差別化や集客効果
- ジビエの栄養価の高さ
岡山ジビエ、信州ジビエ、和歌山ジビエなど、地域ブランドのジビエは注目が集まっているので、お店のウリになる可能性があります。
また、鹿肉の栄養価の高さなどは前述した通り、高タンパク低カロリーで鉄分も豊富、脂質も低いことから、アスリートの身体作りに活用されるといった実例とともに、POPなどでお客様にアピールできるでしょう。
100gあたり | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 鉄 |
鹿(赤身肉) | 110kcal | 22.3g | 1.5g | 3.1mg |
牛(サーロイン) | 498kcal | 11.7g | 47.5g | 0.9mg |
豚(ロース) | 263kcal | 19.3g | 19.2g | 0.3mg |
データ提供:一般社団法人日本ジビエ振興協会
さらに、鹿肉や猪肉は畜産ではなく天然の肉なので、肉が引き締まっていて濃い味わいを楽しめます。
天然ものの魚と同じように、味のおいしさを打ち出すこともできるのです。
肉そのものも畜産の肉とは違うきれいな赤身で写真映えがよく、SNSでの拡散効果も狙えます。
ジビエの流通ルートとレシピ
ジビエをメニューに加える際には、流通ルートに気を配ることが大切です。必ず、食肉処理業の許可を受けた施設で処理された精肉を仕入れるようにしましょう。
ハンターが直接さばいたジビエの精肉を使って、飲食店が料理を提供することは違法です。
国産ジビエ流通規格検討協議会では、安全な施設を認定していますので、そちらを参考に国産ジビエ仕入れ先を検討するのがおすすめです。
また、ジビエのレシピについてですが、一般社団法人日本ジビエ振興協会のホームページ上にてジビエ料理コンテストのレシピを公開しています。
ジビエを提供することは、飲食店やお客様の双方にメリットがあるだけでなく、「害獣を食肉利用することで益獣に変える」「日本の野山の自然保護につながる」という社会的意義も大きいのです。
流通ルートやレシピなどに気を配りつつ、トレンドのジビエをうまく取り入れてみてはいかがでしょうか?
画像:gettyimages
一般社団法人日本ジビエ振興協会
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